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介護しやすく室内環境が快適な家にして欲しいと要望のあった、寝たきりのご主人を抱える老夫婦二人(知り合いの実家の為、お父さん、お母さんと呼んでいる)の住まい。

外観:夏の日差しを遮る為縁側を設け、むくり屋根とすることで柔らかい雰囲気を演出した。勝手口側にある駐車スペースにスロープを設けて、週一の入浴サービルをスムースに行えるよう動線のみならずバリアフリー面にも配慮している。

内部:お母さんの家事動線をコンパクトにして負担を減らすことを考慮、更にお父さんが生活をしているリビングにも流しを設けてちょっとした洗い物をさっと済ませられるように計画した。
お父さんのベットでの目線とお母さんが普段寛ぐ茶の間の目線の高さを近づける為、茶の間の床を450mm上げている。お母さんがこの茶の間で就寝する為、こたつのテーブルが上下するサンダーバード掘り炬燵(勝手にそう呼んでいる)を導入した。引っ越してすぐ、「お父さんの顔を近くに見ながら寝られるので嬉しい」と言って頂いた。
予算の関係から断熱材はグラスウールを採用したが、気密シートの採用と屋根裏には100mm厚を二重施工、更に屋根裏換気扇を設置して灼けた屋根の熱が居室に入り込まないように徹底した。床暖房を布設した床には無垢杉を採用し、壁にはシラスが主原料の中霧島壁で施工した。

竣工後:あいにくお父さんは5年後に亡くなられたが、先日もお母さんを訪ねていった時に「親戚が集まる度にこの家の心地よさを羨ましがられる」と仰って頂いた。自然素材をふんだんに使って正解。

概要

所 在
福岡県北九州市八幡西区
家族構成
老夫婦(2人)
構造規模
木造 平屋建て
敷地面積
265.00m² (80.16坪)
建築面積
111.00m² (33.58坪)
延べ面積
92.81m² (28.08坪)
竣 工
2003年12月
カテゴリ
戸建住宅